いま美術館や博物館で、単眼鏡の貸し出しを行っているケースが増えていることをご存知でしょうか。 単眼鏡で美術作品を鑑賞する最大のメリットは、絵画や工芸の細部に宿る美しさを拡大して堪能できること。 それらの美は、肉眼では決して味わうことが出来ません。 単眼鏡は、美術鑑賞をより楽しむために欠かせないアイテムといえます。

手に取るように鑑賞出来る

単眼鏡がその威力を発揮するのは作品に近づいて鑑賞することが出来ない場合です。 特に日本美術の作品は手に取ったり間近で鑑賞されることを前提にしたものが多くあるのですが、展示ケースを挟んで50cm以上の距離が開いてしまっていては、作者の腕の見せ所や伝えたかったことを肉眼で読み取るのは、ほとんど不可能と言っても過言ではありません。

そんなときには単眼鏡を使うことで、作品の繊細で絶妙な色表現や職人の技巧の数々を手に取るように鑑賞することが出来ます。

単眼鏡の倍率

美術品の鑑賞に適した倍率は4倍か6倍です。 美術館での鑑賞の場合は作品に比較的近くまで寄ることができるので、4倍がおすすめです。 6倍に比べて視界が明るく、手ブレも少ないのではじめての方にも使いやすい倍率です。 一方、仏像や天井画など作品に近づくことが出来ない場合は6倍がおすすめです。 どちらの倍率も肉眼では見ることの出来ない世界を楽しむことが出来ますが、6倍の方がより細部までしっかりと鑑賞することができます。